
こんにちは、篠原です。
今日は、夫の話。
きのうは、お天気が悪くて、珍しく一日家にいました。
『もう今日はどこにもでかけない!家で楽しいことをする!』
の宣言通り、
子どもたちとカラオケ大会したり、
まきずし作ったり。
でも、朝にあった出来事を消化できずにまだもやもやしてるので、
ここに書いていく。
きっかけは、長男の鼻炎の薬を夫が飲まそうと、
リビングの椅子に座って呼んだときのこと。
長男は薬を飲むのがとても嫌い。
本当は自分でのめるが、
粉薬を親が口に入れないと飲んでくれない。
で、
長男はこのとき大好きなテレビを見ていた。
当然一度呼んだぐらいでは夫のところに来ない。
『くすり飲め。はよこっち来い。』
って数回呼んでも長男は来ない。
夫はしびれを切らして立ち上がり、
『はよこいや』と、
長男を蹴った。
『夫さんけるのはあかん』
私は静かに言う。
『呼ばれたときにこーへんからや!』
蹴られた長男はさっとリビングの隣の寝室で毛布にくるまり、
うるうるしながら視線はやはりテレビに向いている。
『はよこいや。しんどなってだれが病院連れてくと思ってんねん。』
『こっちかってやりたくてやってるんとちがうんやからな!』
夫は怒鳴る。
長男は『けったからもういかへん』とうずくまる。
『はよこなもう一回けとばすぞ』と夫。
私は、
『夫さん。薬を飲ませるのが目的やろ?けってしまったら蹴られていたかった、父ちゃんひどいしか長男には伝わらん。』
『そんなん言うてわからへんのやから犬猫と一緒や。体で覚えささんと。』
夫の目をじっと見た。
目が合わない。
『何を?覚えさせるの?』
『親の言うことを聞かなあかんってことをや』
『それは、親が間違ってたらどうするの』
『そんなん知らん』
『それは無責任や。あんたは親なんやからそこは責任もたんと。
あんたが殴って言うことをきかせたらこの子は外で同じことを他の人にするよ。』
『そのときは俺が長男を殴りに行く』
『そのときあんたが生きてたらいいけど、そうじゃないやろ?あなたはお手本なんやで。』
『あーもう、、お前が薬のませろや』
『いいよ』
私が薬を受け取ると長男は素直に口を開けた。
『なんやのめるやん』
長男は『だって蹴られるのいややったもん』
私はそうやね、蹴られるのは嫌やなあと長男を膝に抱きなでた。
夫はまだ隣りにいた。
布団に転がり背中を向けスマホをいじっている。
私はなんとなく、
夫の背中に触れてみた。
そのままなでなでしてみる。
夫『なんやねん』
私『いや、なんとなく』
そういったあとふいにめっちゃ涙が出てきた。
なんか無性に悲しくなった。
私『おっどさん』
ぐしゃぐしゃのまま夫を撫でる。
私『口で言ってもわからないなら殴るって、夫さんがされてたんだよねえ…ひどいよね。』
『夫さん優しい子やのにね。そいつら許せへんわ』
なんかわからんままめっちゃ泣いて、
顔は見えないが夫は黙って撫でられていた。
長男がニコニコしだしたので、
夫から離れ長男もなでなでしていたら、
夫は『さて』
と立ち上がり自室に消えていった。
その日、夫は穏やかだっった。
一日みんなで家にいたが、
一緒に巻きずしをつくったり、
晩ごはん何にするかをあーだこーだ夫と相談して、
すき焼きを作ってたべた。
子どもたちはニコニコ過ごして巻きずしもすき焼きもお腹いっぱい食べて、
『もうぱんぱんではいらない』と
細身のお腹にぽっこりでたお腹を自慢しあってげらげら笑っていた。
私は思う。
夫は特別暴力的な人ではないし、
基本的に穏やかだ。
でも、こども、
特に長男が小学生になったあたりから、
言うことを聞かないことにものすごく厳しくなった。
ただ、
その『異様な厳しさ』で怒鳴り散らしてるとき、
夫とは目が合わない。
まるで呪いによって言わされているように。
だから、
必ずしも本人の意志ではない。
『なんでそうおもうの?』
『どうしてそうしなくちゃいけないの?』
って質問を繰り返すして玉ねぎみたいにむいていくと、
最後に残った中身はからっぽだ。
だって、
『そう教わった』以外に理由がないのだから。
だれかが小学生だった夫をそんなふうに傷つけ、
未消化のまま育った夫がそれを子どもにしているのだ。
私は、そんな理由で怒られたり子が殴られたりするのはまっぴらごめんだし、
そんなふうに夫を扱ってきた大人たちも許さない。
あの、
子を怒鳴り散らすときの夫の目はまさに、
私を怒鳴り散らしていた、実母そのものだから。
私は闘う。
私は絶対繰り返さないし、
繰り返させることもしない。
絶対にだ。
夫と息子にとって本当に大事なものは、
夫が言ったセリフ、
『こっちかってやりたくてやってるんとちがうんやからな!』
本当はやりたくないめんどくさいから。
でもやるのは、
長男が大切だからだ。
その部分がきちんと伝わるように。
私は呼びかけ続ける。
篠原みなも
追伸
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『負の連鎖を断ち切る』をテーマにしたnoteの連載もやってます。
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日々のメール以外に以前勢いで友人と収録したゆるい育児セミナーも公開してます。
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しばらく無料で送られてくるようになってます。
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こんにちは。言うこと聞かなくて父から暴力振られたこと、何度もあります。そのとき同じようなことを言ってました。しかし、ここに出てくる方とは違い、目がちゃんと合います。目が合いながらも暴力を振るうような父でした。母も同じ考えなので助けてくれる人は家にいませんでした。そういうふうに育ったので父と母のことは大嫌いです。篠原さんのような考えをどちらかが持っていたら違ったのかな…?と思いました。
親も人間なんだと思うのは、きっと、大それた贅沢なのでしょうねと、最近骨身に染みる思いです。
親になるということは、自身の人権と引き換えなんだと思います。
こんなことを考えていては、きっとだめなんでしょうね。人権なくてあたりまえですね。
こんにちは。
Twitterで気になり、拝見させていただきました。
私の周りでも結婚して小さなお子さんが産まれている人もいます。
お母さんとなってる知り合いからお子さんや旦那さんに関する不満もたまに聞いたりはしますが、一番は幸せなんだと色々話をしてくれたりもします。
そんな話や様子を見て、私もいずれ今のお相手の方と結婚して子供作りたいなと思っています。
その反面、子供が出来ても手を出してしまうのではないかと不安でたまらなく思ってしまうのです。
というのも、小さい頃から特に父に「出来なかったら叩く」、「言う事聞かなかったら大声出す、脅す」のようなことをされてきたからです。
母はその様子を目の前でされても、助けてくれるようなことはなかったです。
今考えれば出来なかったのかもしれません。
それでも父のやり方でずっと育ってきた私は、イライラしたり怒ったりすると無意識に物に当たろうとしています。
ふとそれが怖くなったのです。
“自分が父と同じになりつつあるのではないか、これが人だったら、父とおなじだ”。
正直父のことは苦手です。
だから父のようにはなりたくないと思ってやってきたはずなのに、気づいたらやり方が同じになってきている。
そう考えるといずれ子供欲しいと思っても、私の近くにいたらダメと、そんな繰り替えしをしてます。
私に場合父にあたりますが、みなもさんの旦那も似たようなことがあったのかもしれないですね。
「本当はダメだと知っている。
けどそれしかわからない。
気づいた時には無意識にしていた。」
無意識というのは本当に怖いです。
とめてくれないと気づかないままで
やってしまった、と思った頃には
既に手遅れなのもあります。
それをみなもさんは旦那さんにただ怒って問いつめるだけでなく、質問して相手の理由を聞くことは自分を冷静にする他、とめてくれてありがとう、聞いてくれてありがとうって心底思います。
これからお子さんが大きくなってなかなかうまくいかなったりとあるでしょうが、応援しております。
無駄話、長話のうえ、まとまりなくてすみませんでした。
みなもさんのお話に出会えて良かったです。
なんだかとても救われた気分にもなりました。
涙が勝手に溢れてきました。
私にも息子がいます。
私も子供の前では夫さんと同じです。
何故こんなにも我が子を怒鳴り散らすのか…自分でもわからず、自分を止められず、子供と関わる時間を減らすようにしてました。
気付かせて頂いてありがとうございます。
お互いに笑顔で居たい( ´͈ ᵕ `͈ )
こんばんは!
私はまだ独身ですが、幼い頃父親に同じことをされていました。いけないことや謂うことを聞かなかったときに叩く蹴るは日常的に外でもありました。
この文章を読むまでそれは普通のことかなと思っていました。むしろ暴力を振るわれていないと優しいご両親なんだなと思っていました。
とてもとても涙が溢れました。
心にストンときました。
私も繰り返したくないです。
私の夫も父親からDVを受け育ちました。夫を何度となく注意したり、育児本見せたり、時には子どもを避難させたり、努力してきました。夫も少しずつですが、それに応えてくれました。自分の父のようにはなりたくない、その思いが強かったからだと思います。
今、夫の弟が子どもに対する暴力で逮捕されています。起訴か不起訴かまだわかりませんが勾留中です。奥さんが泣きながら被害届を出しました。夫は、弟が父と同じことをしていることに激しく怒りました。そして、弟の子ども達を守るために出来ることをしようとしています。
自分の子ども達にも、以前より優しく接するようになりました。
夫と弟の呪いがとける日を、私も願っています。
初見です。
よくある夫叩き、妻叩きの内容かと思いきや、
なんと忍耐力のある方であることか。
相当に、相当に思慮深くないと「玉ねぎみたいにむいていく」ことは中々できないと思います。
大抵の人は一、二枚むいたところで臭いに嫌気がさすことでしょう。
ただただ感服する限りです。
子供に手を上げた!ありえない!もう終わりだ!とするのは簡単ですが、
自分の愛する者への強い信頼感、この美しさを見た気がします。
そして、誰も傷つけさせない篠原さんは、文面まで優しさに溢れていますね。
他のエントリーもこれから拝読させていただこうと思っていますが、是非とも篠原さん自身がどのような教育をうけてこられたのかとても気になりました。
ツィッターから来ました。
胸が痛くなるお話です。
私もどちらかと言うと夫さんみたいに感情が昂ぶる止まらない性格です…。
子供が寝た後に罪悪感が襲ってきて、そのストレスから逃げるようにスマホ中毒です。
子供から見たらお母さんはスマホが好きなんだとか、私達には笑ってくれないって度々言われて凹みます。
もっと凹んでるのは子供達なんですよね。
怒鳴られて育ったのねなんて、姑にも言われ、勝手に親が否定されたように傷ついたり。
そんな怒鳴られてばかりの記憶はあんまりないんですがね…どうしてこうなったんだろうかと考えても答えが見つかりません。
夫さんは、篠原さんが問いかけてくれるから気づけるきっかけも多い様な気がします。
私も一緒に考えてくれる相手がいたらなぁ、なんて甘いかな。